注文住宅で一番力が入るのは間取りですよね。これから先の生活をいろいろに思い描ける、ワクワク楽しい時間でもあると思います。特に子どもをお持ちのご家庭では、子どもたちにとっても良い空間にしたいと願っていることでしょう。
このブログでは、子育ての側面から、後悔しないリビングの間取りについての視点を紹介したいと思います。子どもの成長や家族としての結びつきにとって、大切な視点でもあると思います。
子どもさんのいるご家庭にとって、2つの視点を知ることで、より後悔しないリビングになったら素敵ですね。気楽に楽しくお読みください。
1 後悔しない間取り:リビングが勉強部屋
子育てや子どもの勉強を考える上で、もう何年も前から、よく言われるようになったことがあります。
それは「子どもはリビングで勉強」ということです。
これは、難関校にお子さんを入れたようなお母様にそのコツを訊いたところ、「子どもはリビングで勉強していました(させていました)」という例が多かったのです。それから徐々に注文住宅の間取りを考えるときに、その視点として触れられるようになってきたと思います。
その良さは次のようなものです。
- 子どもは親のところにいるほうが安心する
- 親は仕事(家事など)をしながらでも勉強の手助けや様子をほめることができる
- 子どもの机に向かう習慣がつきやすく集中できるようになる
リビングでの勉強のことは知っているけど、なかなかそうはできないという方も多いと思います。そこで、そんなあなたは、こんなことに気をつけてみるといいと思います。
- いっしょに勉強しようという雰囲気をつくる。(監視するという感じでは互いにつらいので、ちょっとでも横に座って、本を読んであげたり、考えていたりするのをゆったり見守る。)
- やる気を引き出したり気分を切り替えたりする言葉がけや対応をする。(「できたね」「いろいろに考えられる、すばらしい」「(興味を持ちそうな本や問題に切り替えて)こっちやってみようか」などと声をかけて、様子を見る。)
- 小さい頃から(いっしょに)机に向かう習慣をつける。(机に座って集中できる遊びやパズルを楽しくいっしょにする。)
もう小さい頃から、絵本を読んであげたり、子ども向けの辞典や地図で調べてみたり、といったことは、、お家の人が、リビングで自然にできることですよね。
その延長のまま、机に向かい、いっしょに本やノートを広げる。わからないようだったら、いっしょに考え、できたら褒める。そんなことの延長でリビングでの勉強があるのです。
そんな子どもにしたいということであれば、そのことを意識して間取りを考えていくことが後悔しないリビングの実現に繋がります。
そこで、こんなことをチェックしてみたらいかがでしょうか。
- 家事をしているときの親の動きと視線の方向(子どもの横に座った位置から家事に動くときに動きやすいか。子どもの姿が見やすいか。子どもの声が聞こえやすいか。)
- 勉強している子どもの位置とその視線(子どもの視線にテレビの画面や遊ぶものが入って、気にならないか。向き合うより、直角に交わるぐらいがいいとも言われています。)
- 別の家族の動き(眼の前や真後ろをよく人が通ることはないか。)
テレビをどうして扱っていくか、ということも大きかもしれません。テレビは消して勉強という方法もありますし、結構ガヤガヤしていても、さっと集中できるという人もいます。今のお子さんの様子を改めて見つめ直すのもいいと思います。
そして、小学生ぐらいだったら、新築したことをいいチャンスとして、リビングでの勉強に切り替えることができるかもしれません。(なにか子育てのブログみたいになってしまいそうですが、子育てと間取りは、浅からぬ結びつきがあるものです。)
リビングは、みんなが集まって、暖かな空間。各人がバラバラなことをしながら緩やかにつながり、あるときは一つになる空間、そんなイメージでしょうか。
そして、子育てのために後悔しないリビングの間取りで、もう一つ考えてみてほしいのが「リビングを通り道にする」ということです。
2 後悔しない間取り:リビングを通り道にする
人生、いろいろあります。
楽しく喜びにあふれる日々ばかりではないですよね。心の痛みや苦しさを抱えることは、わたしにもありましたし、あなたにもあると思います。
だから、「リビングは暖かく家族が集うところ」と思っても、またそのつもりでお家を建てても、あとはほっておいてもそうなるかっていうのは、もちろん別の問題です。
他の注文住宅のブログでも紹介されていると思いますが、リビングの間取りを考えるとき、次のようなことを考えてみてはいかがでしょうか。
玄関からすぐに廊下と階段があって、玄関からそのまま(廊下や階段を通って)リビングや各個室に行くことができる間取りがあります。
これだと、次のようなことが考えられます。
- 玄関から部屋(部屋から玄関)へ誰にも気づかれずに行き来できる
- 家族の動きだけでなく他人の出入りについてつかみにくくなる
- 家族それぞれが部屋にこもりがちで孤独が深まる危険すらある
といったことです。
そこで、玄関からリビングに入り、そこから各部屋に行くような間取りとする方法があります。玄関から対角線にそういう動線を設けなくても、リビングの隅を通り抜けるような間取りにする方法です。
こうすることで、
- 家族の様子が互いにわかりやすくなる。
- 持っているものや連れてくる友だちにも目が触れるようになる
といったことになります。
家族関係が苦しくなると互いに遠ざかるようになるのでしょうが、そうなる前に、あるいはそうなってしまっても、勇気をだして声を掛け合うチャンスが、リビングを通り道とすることで、広がります。
苦しいときこそ、寄り添ったり、向かい合うことが大切ですよね。そんなことを手助けしてくれるような間取りになるといいですね。
そんなことを思って計画すれば、きっと後悔しない間取りができていくと思います。
まとめ
注文住宅での間取りの決定こそ、力が入るところですね。後悔しないように、このブログでは、リビングの役割を子育ての視点から書いてみました。それは次の2点です。
- 「子どもがリビングで勉強する」という視点
- 「リビングを(玄関への出入りの)通り道にする」という視点
子育ての視点とは書きましたが、夫婦にとっても、遠ざかってしまわないリビングの間取りでもあるかもしれません。こんな視点もあることを知って、「なるほど」って思ってもらえたらうれしいです。
「そうそう」って思っているあなた、もう素敵なリビングが近づいていますよ。