斜面の土地を住宅地として購入!経験からわかった4つの大切なこと

土地と監督

「いま注文住宅のための土地を探しているのだけれど、斜面の土地で迷っているところがある、どう考えればいいの」というあなた!

我が家も斜面の土地に建てた注文住宅です。全体からからすると珍しい例かもしれませんが、こんなレアな例こそ、注文住宅のためのブログの役目があるのかもしれないと思い、斜面の土地に建つ住宅について、ブログの筆を進めることにします。

斜面の土地に行き当たる状況にはこんなことがあるでしょうか?

  • 住みたいと思っている地域にはもう適当な平地が残っていない
  • その土地を安く買える(譲ってくれる)ので候補の一つになっている
  • 眺望がいいところにとても魅力を感じている
  • 建てることのむずかしさがどの程度かわからない

わたしたちの経験でしかお話できませんが、あなたが後悔しないための判断の手助けになればと思います。

1 設計・施工を依頼する工務店を決めておく

斜面の土地が住宅が建てられる土地がどうか、どう基礎を作り、足場を作り、注文住宅を創っていくのかは、とても専門的なことになります。

そこで、土地の購入契約の前に、お願いする工務店さんやメーカーさんを決め、実際の土地を見てもらいながら、具体的な工法などを検討しておいたほうがいいと思います。

わたしたちは、土地探しの段階で、工務店さんやメーカーさんとお話をし、早い段階で一つの会社に決めて、見てもらえる料金も支払って、相談していきました。それは、正解だったと思います。

例えば、「この土地に家を建てたい」って思いながらも、いくつかの不安もありました。それは次のようなことです。

  • まだ整地が済んでいないので(木や大きな岩石を覗く程度の整地での引き渡しだったので)平らな面がどの程度の状況で作れるのか先が見えなかった。
  • 道路から見ると下側に当たる斜面だったが、道路からの入り口(玄関)が、どの高さで作れるのか不明
  • 斜面の(土地の)一番下に古いコンクリートの擁壁と石垣があるのだが、強度が不明
  • 宅地としてまだ申請していなかったので(もちろん不動産屋さんの見込みはあったものの)宅地としてどの程度認められるか不明
  • 斜面の上側にある道路を崩さないように擁壁が必要
  • 下水道の取り付け位置がまだ不明

といったことです。

これらのことを、不動産屋さんと工務店さんに相談しながら前に進むことができてとてもよかったと思います。

こうしたことは、大きなメーカーさんでは対応が難しいのかもしれませんが、こうしていくつかの会社とお話しながら、一つの会社に絞れたものよかったと思います。

2 斜面の土地は千差万別、条件をしっかり整理することが大切

すでにある宅地であった土地や分譲地として整地された土地と違い、斜面の土地は千差万別です。そもそも宅地として家を建てられそうな土地ということが(規制などの法律面、崩れるなどの安全性、電気ガス・水道下水などもめどがあることなどが)大前提ですよね。

具体的な不安や課題を相談しながら、土地の正式な購入までにおえていくことを整理していきます。

チェック項目には次のものが考えられます。

  1. インフラ(道路・電気・ガス・水道・下水・通信[電波やインターネットの接続])が整っている(または目処が立てられる)
  2. 自然災害に対する安全(崖地の危険・大雨や地震に対する安全度)
  3. 宅地としての整備(法律面・法面の状態から工事が必要か)
  4. 子どもの成長や老年になったときの生活

特に通信系の問題は、気づきにくいと思います。「電波は来ないけどケーブルテレビでなんとかなりそう」という場合も、早めにその内容を確認しておいたほうがいいですし、インターネットも光回線が来ていないところもまだあるようです。

安全については、県や市の行政機関から出ている情報も確認していたほうがいいです。

また、境界付近での法面の工事は、どこが負担するのかも確認しておいたほうがいいでしょう。特に隣家がある場合は、きちんと確認しておくほうがいいと思います。

交通の便も、生活に大きな影響を及ぼすものです。ただ、坂や階段は、マイナスのイメージだけでなく、年をとっても筋肉を落とさないために健康にいいという意見もあるそうですのでそれも書き加えておきたいことです。

わたしたちは、まずは、

  • 斜面の下の擁壁の強さ
  • 宅地として認められて下水道も含めてインフラが可能か

の2点を確認しました。

この2つが家を建てるということで可能だったので、その時点で、正式な土地の売買契約をしました。

3 斜面の土地に建つ住宅の高さを工法も含め検討しておく

次に、家の高さがどうなるかという問題がありました。

道路側には、擁壁を兼ねて駐車場をする計画を建てて、そこは、建物とは違う構造設計の人と地元の建築屋さんに依頼しました。

斜面を整地する段階でわかったのは、土を取り崩して別のところに持っていったり、あるいは別のところから土を運び込んで盛り土にしてもらうということはかなりの金額が余分にかかるということでした。

盛土の場合、土を運ぶ距離や盛っていく方法など斜面により大きな差がでるでしょうが、100立方mで30万円から80万円ぐらいになるのではないかと思います。(20坪(66平方メートル)を3mの高さまで盛土をすると、法面(擁壁)を考えないで、200立方メートルぐらい必要になります。)

それなので、わたしたちは、そうはしないで、そのままを活かすことにしたのですが、その地形というか、特に地面からの高さが最後まで不明だったのです。

案としては

  1. 道路からの出入り口(玄関)を家の一階のフロアの高さにするように、鉄骨で下駄を履かせるようにして、柱を建て、その上に鉄板で平面を作ってその上の家を建てる。
  2. あるなりの地面を使って、ベタ基礎を作る。高さが必要になるので、鉄筋コンクリートのような壁と一体化するベタ基礎になるので、道路との落差が大きいとお金もそれだけかかる。それなので、2階のフロア面かさらにその上を道路の高さに合わせる。

といった案でした。

下駄を履かせるむき出しの鉄骨の案は、外観も不安定な印象でしたくないと思いました。

幸いなことに、ベタ基礎方式で、高さとしては2階のフロア面より1.2mぐらいの上の面で玄関を作ることができることがわかりそれで決断しました。

これはとてもいい家づくりにつながったいい判断だったと思います。

4 魅力を満喫しながら、注文住宅づくりのエネルギーにする

わたしたちは新聞広告で斜面の土地を見つけました。見に行くとまだ木々を切り倒している状態でした。それでもとても大きな魅力を感じたので、その場で仮押さえをしました。その魅力を上げると次のとおりです。

  • 探していた中学校区である
  • 眺望がいい
  • 通学や職場への交通の便もなんとかなりそう

こうして振り返るとかなり不明なことが多かったのですが、何しろとても眺望もよく、気持ちのいい土地だったので、買う気満々の初日でした。

斜面の土地は、お金も余分にかかるし、大変なことも多いですが、それにまさる良さも感じます。よく、斜面に建つ家の多い街(都市)がありますが、その街のエネルギーや住もうとする人のエネルギーが住宅を斜面に這い上がらせているように思います。

特に眺望に魅力を感じているあなただったら、加えてこんなことも確認してみましょう

  • 将来その眺望を遮るような建物が建つ可能性がないかとか
  • 夜の眺望や音

(昼間もそうですが)人の動き、車や船の動き、明かりの動きや瞬きなどがあるほうが、魅力があると思うのですが、案外夜の風景を見落としたままになることがあると聞いたことがあります。

夜、外が真っ暗だと、窓ガラスは鏡のように室内を映すだけになります。そんなことも確認してみるといいと思います。

まずは、もうここしかないって魅力を感じていれば、斜面のいろいろなことは乗り越えられます。そうでなければ、無理して斜面の土地に住宅を創ることはしないほうがよいと思います。

まとめ

住宅を創っていくとき、斜面の土地がその候補になったときに、わたしたちの経験から大切に感じたことをお話しました。

  1. 相談できる工務店さんを決めて具体的に調べてもらう
  2. チェック項目を整理して解決していく
  3. 家の入り口をどの高さにしていくか、工法も含めて検討する
  4. 大きな魅力を感じないなら、購入を控える

わたしたちの家では、斜面であったことで、駐車場と基礎部分に、余分にお金がかかりましたが、それは300万円前後だったと思います。車の値段などで考えれば、それはとても価値のあるものだったと感じています。

あなたも斜面の土地を積極的に探してみませんか。楽しいですよ。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする