せっかく新築住宅にするのですから、スッキリとして、美しい部屋にしたいですよね。これまでの、なんとなくごちゃごちゃしてしまっている部屋を卒業する大きなチャンスですからね。
でも、新築住宅にした人に聞くと、後悔しているっていう部分のトップ3には、電気などの配線、コンセントの位置というのがあるそうです。
新築住宅を建てた人のなかには、
- 新築住宅なのにタコ足配線になってしまった
- コンセントが家具で隠れてしまって使えない
- ブレーカーがすぐに落ちてしまう
といった経験をもつ人も多いようです。
そこで、あなたが住宅づくりで電気やコンセントのことを考えるときに、参考になることを書いていきます。
Contents
1 間取りのなかに電気製品を配置してみる
1-1 今ある電気製品をすべて間取りのなかに配置する
出来上がりつつある間取りのなかに、今使っている電気製品を配置してみましょう。
方法は、2つ
- 手書き
- 縮尺を合わせてその大きさに紙に書いて切り取り、将棋のコマのように動かす
おすすめは、将棋のコマのようにつくってしまうことです。一度つくれば、なんども配置をやり直せます。
電気製品のなかには、結構でっぱりや背面に排熱のための隙間を取らないといけないものもあるので、そんな必要部分の大きさをつくっておくといいです。
大切なことは、いま使っているものすべてを挙げることです。
- パソコン・プリンター・ルーター・ハードディスク・モデム
- 炊飯器・ポット・電子レンジ・オーブントースター・コーヒーメーカー
- テレビ・ケーブルテレビの終末端子・ゲーム機
まず、目に見えるものを片っ端からメモしていきましょう。
そして、見落としを防ぐために、今、コンセントにつながっているすべてのコードをたどってその製品名をメモしてみましょう。
常時、外にでていたいもの(アイロン、ドライヤーなど)や季節もの(こたつや扇風機など)も書き出していきましょう。
コンセントを使ってる照明器具も忘れないようにしましょう。(例えば、神棚や仏壇などで電気を使うこともあります。)
1-2 これから購入したい電気製品をリストアップする
将来のことを想定するのは(お子さんが誕生するなど家族構成がかわることもあるので)、それほど簡単なことではありませんが、いろいろなことを思い描いてみるのも、家づくりの大きな楽しみでもあります。
「いままでほしかったけれど、場所がなかったから買えなかった」などというものもあるでしょう。そんな電気製品や品物をリストアップしてみましょう。
- ジューサーミキサー、コーヒーメーカー、フードプロセッサー
- オーディオ機器(アンプ、スピーカー、ディスクプレーヤー、ディスプレー、ケーブルテレビの端末、電動スクリーン、ハードディスク)
- 趣味で使う道具
次に、それらの最大の寸法を、カタログなどで調べて、それを将棋のコマとしてつくります。
ここでも、製品によって、排熱や蒸気などのために後背や上面に空間が必要なことがあるので、それにも注意しておくといいでしょう。
そしてその電気製品のコマを間取りの図面に置いて、電源コードがどうつながっていくのか考えてみて、必要なコンセントを書き込んでいくといいでしょう。
2 収納スペースも配置してみる
電気製品を間取りの図面に置いていくのと同時に、部屋にいまあるもの、これから置くものについても、同じようにコマをつくって確認していくといいでしょう。(こうして複数のことを行ったり来たりしながら考えるのもとても大切なことです。)
2-1 電気コードを想定しながら収納スペースを配置する。
まずは、家具などの収納スペースを置いてみます。チェックしていくのは次のようなことになるでしょうか。
- 家具の配置で動線はふさがれないか
- コンセントで家具が置けない(家具でコンセントが使えない)ことがないか
- 戸棚やタンスのなかにコンセントをつくって置く必要はないか
- コンセントの高さはどのくらいがいいか
家具の裏側のコンセントについては、スペースを取らない延長コードなどもあるので、必ずしも使えなくなるわけではないので、その辺もおさえておくといいでしょう。
コンセントの高さも使い方で都合のいいようにする方法もあります。足に引っかかることを考えて低めにすることもできますし、掃除機のように、常に抜き差しするようなもののときに、腰をかがめてプラグを挿すより、立ったまま挿しやすい位置にコンセントをつけて置いたほうがよいという場合もあります。
戸棚やタンスのなかのコンセントについては、次の項でさらに触れたいと思います。
2-2 充電のためのスペースは大切
特に、充電するためのスペースをどうするかも見落としがちかもしれません。
充電しているものの確認もここでしてみるといいでしょう。
- 携帯、タブレット、ノートパソコン
- ゲーム機、掃除機、ビデオカメラ、電動歯ブラシ
携帯などの通信系のものは、充電中も使ったりするでしょうから、取り出ししやすかったり、そのまま使いやすかったりする場所がいいかもしれませんが、充電の状態を特にあらわにしなくていいものは、いっそ戸棚などのなかに入れてしまうのも一つの方法です。
充電のためのアダプターなど、コンセントのすぐ近くで場所を取るものもありますし、コード自体も結構体積を取るものなので、作業机などにコンセントをつくってもかさばってしまいます。
スッキリした感じの部屋にしたいというあなた、ここが思案のしどころでもありますね。スッキリ感をより求めるなら、コードやアダプターなどが少し固めて入れられ、隠せるようなスペースをつくるのもいいのではないでしょうか。
また、子ども部屋とか、寝室は、案外いい加減なコンセントの配置になってしまうこともあるようなので、ここも楽しんで考えていきましょう。
3 住宅の電気容量を考える:エリアごとに消費電力を考えるとブレーカーは落ちない
家が建ってから、ブレーカーがよく落ちるということに気がつくのは、とても残念で腹立たしく感じますよね。
「プロにまかせたのに」って思っても後の祭り。
ざっと理解することで、設計の検討のときに話をしやすいと思うので、知っておいて気にしてみましょう。
家のなかの電気系統は、いくつかのエリアに分かれています。そのそれぞれのエリアのなかで、同時に大量の電気が使われると、ブレーカーが落ちてしまいます。
一つのエリアで、同時に2000wを超えてしまうとブレーカーが切れる可能性が増すようなので、そのエリアのなかで2000w以上を同時に使うことがないかよく確認していくことが必要です。
そこで、電気製品の大まかな一番電気が使われるときの容量別にリストにしてみます。
消費電力 | 電気製品 |
1500~1000 |
・ドライアー・アイロン・炊飯器 ・ホットプレート・オーブントースター ・ホームシアター・衣類乾燥機 |
1000~500 |
・AVアンプ・コーヒーメーカー ・電気ポット・掃除機 ・全自動トイレ・洗濯機 ・こたつ |
500~100 |
・デスクトップパソコン・ノートパソコン ・電子ピアノ・PS4 ・フォードプロセッサー/ミキサー/ジューサー ・布団乾燥機・液晶テレビ・ヘアアイロン |
電化製品は同じ種類でも、製品により、消費電力に大きな差がありますので、実際にはそれぞれ確認してください。
また、エアコンは消費電力が大きいので、別系統になったりすると思います。照明機器も多くあればもちろん加算して、容量を確認することが大切になります。
まとめ
住宅づくりの電気の配線で後悔することがないように、コンセントの位置を決めるのにおさえたいポイントを紹介しました。
- 今ある(そして購入予定の)電気製品を将棋のコマのように間取りの図面の上に置いてみる
- 後から置く家具などの収納スペースを間取りの図面に置きコンセントの位置を確認する。
- 充電のスペースについてもスッキリするように考えておく
- ブレーカーが落ちることのないように、消費電力の大きな電気製品をおさえ、エリアのなかで2000wを超えないよう、よく相談しておく
この辺は、設計のプロが考えてくれるのだからと、任せっきりにしがちかもしれません。でも、これからの生活を一番よく知っているのはあなたです。
設計のプロだからと、すべて任せっきりにしないで、家族のこれからの生活に大きく関わるスッキリ感のために、がんばりましょう。
そのご褒美は、きっと気持ちいい日々の暮らしとなって、やってきます。