住宅設計:寸法にこだわって動きやすく収まりもよくなった3つの事例

メジャー
あなたご自身が住宅の設計に関われるというのは、とても幸せなことですね。

ここでは、どんなところの寸法にこだわったら、どうなったのかを紹介して、あなたにピッタリとフィットするお家が実現する手助けになれたらと思います。

すでに、テーブルの高さについては、別の記事に書きました。

住宅づくりで室内での高さにこだわると質が向上:おすすめの4つのポイント!

ずっとメジャーを持ち歩いて、寸法をよく気にしていた成果を紹介します。

1 住宅設計:必要最小限のテーブルと仕切りの間の寸法

テーブルの位置に合わせて、側面の棚の高さや幅を決めることで、テーブルと棚の一体感やスッキリ感を出そうと思っていました。

さらに、照明も、テーブルの真上なるように取り付けるので、テーブルの位置決めが大切になります。

テーブルの座る席の後ろは、キッチンの台所との仕切りの壁になっていました。

そこで、その間を何センチにするかが大切になります。他のスペースも考えると、必要最小限の幅にしたかったのです。

まだ、椅子そのものの具体的な製品は決まっていなかったので、カタログから椅子の全体の奥行きが何センチになるかを調べました。

レストランのようなところにいっても、こっそりとメジャーを出し、テーブルの端と背もたれとの距離を測ったりもしました。

大切なところは、

  • 人が立ったときに椅子を後ろに押しのけて、まっすぐに立てる

というところでした。

それで、その結果、テーブルの端と席の後ろの仕切りの壁との距離は77.5cmとしました。(あとで購入した椅子は奥行きが背もたれの先端まで含めて60cmちょうどでした。)

いまだに、テーブルの位置を変えたいと思わない無理のない良さがあります。

2 住宅設計:動線を少なくするキッチンの広さ

キッチンは、システムキッチンのメーカーの製品にしました。

どのメーカーのショールームにも出かけていき、都会の大きなショールームにまで足を伸ばしたこともあります。

ここでもメジャーを持っていって、測っていました。

製品はもう寸法が決まっていて、高さを調理する人に合わせる程度の選択になると思うのですが、わたしが測ったのは、モデルになっているセットの通路とかレンジと収納との間の距離です。

キッチンの動く範囲というのは、広ければいいというわけではないようで、コンパクトなほうが動線が短くなって作業がはかどるということがあります。

わたしたちのキッチンは、前が、レンジ・食洗機・流し・フライパンなどの収納のライン、後ろが食器系の収納のラインと計画していました。(それがいいのかどうかというのもショールームにいって体感する大きな目的です。)

このラインの横の長さは、システムキッチン側での種類の中からの選択なので、それほど融通がきくわけではありません。

融通がきくのは、ラインとラインの間、人が動き回るワークスペースのような空間の幅にあたる距離です。そこも気にしてショールームのその距離を測り、動きやすそうな幅を決めたのでした。

決めた幅は、114.5cm。

空間としては、114.5cm ✕257cmで、3人いてもまあまあ動けるし、二人ではほどよい感じです。

この距離でよかったのは、前のラインの食洗機から、後ろのラインの食器棚までの距離です。

食洗機のなかできれいになった食器を、食器棚に移すとき、その間に立って、一歩も動かず、右手から左手に持ち替えるだけで、食器を収納できるのです。

これが広すぎたら、ちょっと足を動かさなければならなかったと思うし、狭すぎたら、開け放った食器棚の扉とスライドして出てくる食洗機のボックスで挟まれるようになって動きづらいことになったと思うのです。

そういうわけで、作業スペースの寸法をいっぱい測って住宅設計に活かせてとてもよかったと思っています。

3 住宅設計:入れるものから決めた棚の大きさの寸法

わたしたちの住宅では、リビング/ダイニングの南西側の壁一面を、棚にしています。大工仕事としてつくってもらったもので、(本棚としての使用も考え、やや厚めの板を使ってもらっていますが)とてもシンプルな棚です。

まず、テーブルの高さと幅に合わせて、棚の幅と高さを一部決めていきました。

次に考えたのは、大きな液晶テレビを置くためのスペースです。

そのため、設置したい画面の大きさのテレビの幅を、たくさんのWeb上のカタログから調べ、140cmとしました。こうすると、55インチのテレビまで置くことができるからです。

液晶テレビを置く下には2段分の棚を設けました。高さは動かせるようになっていますが、これも、アンプやプレーヤーが入るように大きさを決めていきました。

棚の寸法でとてもよかったのは、先にそこにいれるプラスチックの引き出しタイプの収納ケースを決めたことでした。

小物の収納にはプラスチックの引き出しタイプの収納ケースが便利だと思っていたので、まずはそのケースから、棚と見比べながら、ちょうどいいケースを見つけたのです。

そしてその収納ケースを2つ並べてぴったり入るように、戸棚の幅を決めたのです。

とてもスッキリとさせることができましたし、小物の収納にはとてもよかったと思います。

ちなみに、棚の奥行は、プリンターを置くことも考えて、60cmにしました。これも結果としてとても満足している奥行きになりました。

まとめ

この記事では、住宅の設計を考えていくときに、寸法にこだわって、細かいところまで詰めていくと、動線もよくなって収まりも良くなる3つの例をあげました。

  1. まっすぐ立ち上がれる椅子が下がる幅を押さえる
  2. キッチンのワークスペースはコンパクトな広さ次第で動きを最小限にできる
  3. 棚の幅をそこに入れる収納ケースの幅からピタリと決める

メジャーを持って事あるごとに測っていくと1cmの大きさやその重みを実感してきます。完成してから、あと数mmの違いでここにものが置けたのにってこともなくなるはず。

あなたもすぐにメジャーを持っていろいろ測ってみませんか。たくさんの発見が待っています!

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